インプラントの仮歯 [vol.011]

仮歯は立派に見えても「偽物」

仮歯のまま治療を止めて、不調を訴えて歯医者さんに来てませんか?

歯医者で治療をしている時、
仮歯を作ってもらった経験はありますか?
私はよく歯医者に通った口なので、何度も何度も歯を治して、
仮歯を作ってもらった経験があります。
きちんと最終的な補綴物を入れてもらって、さっさと歯の治療を完了させたくて、
補綴物を入れてもらって早く終わらせたいタイプの人間でした。

この仮歯のままで、本来の完成した補綴物ではない仮歯をそのまま使用して
治療を停止する患者がいることを、歯医者の仕事に携わるようになって
初めて知りました。
仮歯のまま勝手に治療を終わらせる患者ってどんなモラル?どんな状況?
忙しいので通院できなくなった患者もいるでしょう。
仮歯が本当の補綴物に匹敵するほど、しっくりした気になって
もう大丈夫なんて思って使っている人が結構います。

仮歯ですから、時間の経過とともに、使用に耐えられなくなって当たり前のように
不調をきたす。
そうすると、仮歯を「補綴の代わり」として代用していた患者は
「適当な歯を作りやがって!」
と怒り出す。こんなアンポンタンが出てきたら、歯医者は大変です。
こんな患者は「いかん!」って今なら私も思うのですが、
仮歯も補綴物の区別のつかない患者の方が、実際多いのではないでしょうか?
区別もつかないし、しっかり説明しても自己解釈して、
知らなかったと言われてしまう場面にでくわした経験のある歯医者を私は知っています。
仮歯をめぐるトラブルは、患者側の安易な自己判断に起因していることがあるのです。
患者の一人として心したいところです。

これがインプラントの仮歯となると、状況は違うかもしれません。
インプラントは、自由診療です。
歯医者の診療請求のタイミングが、インプラントの埋入とか区切りのいいところで
回収(清算)が終わっていれば良いですが、インプラントの本数によっては、
100万超えなんて
普通にあり得るインプラント治療ですから、最終の補綴物を装着する手前の仮歯で、
患者が通院を止めてしまったら、そのインパクトは歯医者にとっても大きいことでしょう。
最終補綴物を装着して、完成を見るインプラントが、
仮歯で勝手に患者の判断で終えてはいけません。
中途半端な状態で生活に使ってトラブルになった時、
その責任とリスクは、患者自身に降りかかるのです。
歯医者にしたって、そんな残念な患者のため、リカバリする羽目になるなら
それはそれは気の毒な話です。

仮歯

これは、インプラントだろうが、ブリッジだろうが、通常のクラウンだろうが
仮歯は、仮です。
きちんと、完成物を装着して、ご自身の口腔内の環境を回復してください。

念をおします

インプラントは、そもそも人体に存在したもの(天然歯)ではありません。
人体に最初から備わっていた歯になる訳ではありません。
このインプラントは、いわば「外から来た、体に馴染みめる歯」なのですから、
人口歯という未知の物体を口腔内に装備することに長けている歯医者さんの指導を
しっかり仰いで快適な生活を送ってください。

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